備忘録的な

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ビジョナリー・カンパニーZEROを読んだ

気がつけば2年半ぶりの投稿です。 表題の通り「ビジョナリー・カンパニーZERO」という本を読んだのでそれについて書きます。

原題は「beyond entrepreneurship」で、Netflix CEO が毎年読み直す本みたいですね、すごい。

「ネットフリックス」CEOが毎年読み直す1冊の本 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

1995年に発売された内容にいくつか加筆修正されて翻訳されているのが本書なのですが、とくによかった3章「リーダーシップ」と、4章「ビジョン」について思ったことを書いておきます。

リーダーシップ

リーダシップのスタイルは人によって違うけど、優れたリーダーシップの要素には共通点があるよ、ということを言っています。

7つくらい要素が紹介されているのですが、とくに 決断力集中力 についての解説が良かったです。

決断力の章に、判断は「誤る」ほうが「しない」よりましなことが多い というセンテンスがあるのですが、これ常々意識はしているもののなかなか行動に落とし込めなくて困っていたのですが、以下の説明を読んで腑に落ちました。

残念ながら、たいていの人は間違えることを恐れるので、このアドバイスになかなか従えない。バカにされること、責められること、批判されること、笑われることを、多くの人が心底恐れている。要するに、失敗による「心理的」悪影響のほうが、実際の悪影響よりも厳しいものに思えるのだ。

これはまさしくで、意思決定が遅くなってしまうのは「間違える」ということに対する心理的ハードルに起因するのだろうと思います。このハードルを乗り越えるためには「間違える」ということに対する自分の認知を変える必要があって、ただ認知も結局のところ(一定のパターン認識はあれど)過去の経験の積み重ねになるので、積極的に間違えにいって、その間違いを正解に繋げる経験をしていかないといけないなと改めて決意しました。

また集中力の章では 仕事でなく時間を管理する というセンテンスがあって、これも言葉自体はよく聞くし、まぁそうだよねって思っていたのですが、以下の説明がなかなか目からウロコでした。

あなたの仕事がうまくいけば、仕事はさらに増える。つまり、「仕事を完了する」という概念そのものが甚だしい自己矛盾であり、誤った思考や習慣を助長してノイローゼを引き起こす危険がある。

確かに、子どもが生まれてからとくにですが、やるべきことに対して時間が全く足りないなと常日頃から感じていて、その中で「如何に時間を作り出すか?」という問いをたてて思考することが多かったのですが、この章を読んで、本来投げるべき問いは「優先順位通りに時間を使えているか?」だったのだろうなーとハッとしました。家と仕事の両立がなかなかうまくいかず、とにかく時間が足りなくて苦しい時期もあったのですが、「そもそも時間が足りることはない」という前提に立つことで心理的にも楽になりそうです。

ビジョン

曖昧に使われがちな「ビジョン」という言葉をこの本では以下のように分解していました。

ビジョン = コアバリューと理念 + パーパス(存在意義) + ミッション(BHAG)

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ビジョナリー・カンパニーZERO p.176 より「コリンズ・ポラス式ビジョンのフレームワーク

コアバリューとパーパスだけで完結せず、ミッション(BHAG) までがビジョンに含まれているのが肝なのかなーと感じました。

過去所属していた会社でも何回かミッション・ビジョンについての議論を行ったこともありますが、このフレームワークで言うところの「コアバリュー」と「パーパス」の部分、つまり「我々は何者で、どこを目指すのか?」というところで議論が終わってしまい、その北極星を目指す上で登るべき眼の前の山(ミッション)を定義出来ていないことが多いなと感じました。

今振り返ってみると、ミッション・ビジョンについてしっかりと議論したはずなのに、結局フワッとしたままその後の行動に繋がらず、また3ヶ月後〜半年後に同じような議論をしてしまうのはこのフレームワークで言うところの「ミッション(BHAG)」つまりは「目の前の登るべき山」をしっかりと定義できていなかったからかもしれません。